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腰は体の土台になる大切な部位。ここに故障があるというのは、爆弾を抱えたようなものです。

アスリートにとってケガや故障があった際、病院でのリハビリだけでは元のようなパフォーマンスを発揮できません。

「ケガや故障が原因で、今までのように競技で体を動かせない……」

そんな悩みを解決してくれるのが、アスレチックリハビリテーション(アスリハ)。アスリハとはどのようなものでしょうか。

アスレチックリハビリテーション(アスリハ)は、病院のリハビリとは違う

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アスレチックリハビリテーション(アスリハ)は、病院で行う一般的なリハビリとはまったく異なるものです。

ケガをして、最初に行うのがメディカルリハビリテーション。これは、日常動作ができるくらいまでの機能回復を目指すものです。

アスリハは、メディカルリハビリテーションが完了した後に行われるもので、競技復帰に必要な機能回復をサポートします。

さらに、復帰後の再発や後遺症などの発生を予防する対策指導も。アスリートにとって頼もしい、そして必要な存在であると言えるでしょう。

専門的なものなので、通常の病院では十分なアスリハが行えるトレーナーがいないことがほとんど。アスリハを検討するなら、スポーツ整形外科などを調べてみましょう。

アスリハで設定される目標はどのようなもの?

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アスリハは「競技に安全に復帰すること」が目標ではあるものの、到達するゴールは人それぞれ。ケガの程度や競技に必要な身体機能、競技レベルなどに合わせて目標が設定されます。

その到達目標が競技への完全復帰なのか、負荷を下げたレベルへ変更しての復帰なのかによっても、大きく異なるでしょう。

また、競技レベルが高い人ほど早期復帰しなければならないことが多く、リハビリテーション期間が制限されている傾向も。

身体機能が不十分な状態での競技復帰は、ほかのケガや故障を招く可能性が高く、注意が必要です。そうならないように対策や指導をしていくというのが、アスリハの大きな目標とも言えるでしょう。

アスリハのメニューを作成~5つの段階~

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アスリハを行うアスレチックトレーナーは、対象アスリートのケガの状態や競技によって必要なメニューを作成します。

細かい内容はそのアスリートによって異なるものの、5つの段階に分かれて構成されています。

【第1段階】保護期・治療期

まずはケガのある患部の炎症や腫れ、可動域の制限などを取り除きます。

無理のない範囲で、ストレッチや関節を動かさないままでの筋力維持メニューを取り入れ、患部を保護しつつ、腫れなどが引くのを待ちます。

【第2段階】訓練前期・調整期

患部の炎症が落ち着いたところで、今度はその周辺の筋力を強化していきます。それによって関節が安定し、負担を軽減することができます。

具体的にはエアロバイクなどを使った持久力アップ、スクワットなどのトレーニングです。

【第3段階】訓練後期・活動期

競技練習への参加を目指す段階です。患部の筋力7割程度まで増強していきます。

ランニングやダッシュ、フリーウェイトマシンを使用して筋トレを行ったり、コアトレーニングを行ったりします。また、ケガの再発防止メニューも含まれます。

【第4段階】復帰期

競技への完全復帰を目標とした段階。ここまでくると、実戦を視野に入れたシュミレーショントレーニングが中心になります。

実戦のトレーニングや再発防止トレーニングなどのほか、スピード強化・パワー増強・瞬発力の強化が目標となります。また、復帰目標に到達しているかのチェックも行われます。

【第5段階】再発予防期

競技チームの指導者やマネージャー、チームメイトと協力して再発予防に関するポイントを確認するといった、協力体制の整備や現在のパフォーマンスチェックが行われます。

アスリート自身のケガを、本人だけでなく、チーム全体で理解していくことで再発を予防します。

アスリハに関わる「プロフェッショナル(専門家)」たち

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アスリハを行うといっても、そこには何人ものプロフェッショナルが関わります。どのような職種の専門家が関わっているのかを、詳しく見てみましょう。

スポーツドクター

スポーツドクターはアスリートのケガを診断し、治療方針を決定します。アスリハでは特に、整形外科医が関わることが多いです。アスリハにおける運動リスクや、運動許容量を明確にしていきます。

理学療法士

病院のメディカルリハビリテーションでも関わるのが、理学療法士です。医師からの情報を受け、機能的な問題の抽出から改善していくためのプログラムを立案します。

アスレチックトレーナー

アスリハ指導の中心的な役割を担います。医療スタッフからの医学的な情報と機能的な情報を受け、アスリートの競技種目・レベルを加味した指導を行います。

また、日常の動作と違ってアスリートの行う競技とは、激しい動きや負荷を伴うもの。進行状況や回復状況、到達目標など、関係スタッフとのまめな情報交換は欠かせません。

監督・コーチ

復帰後の競技の指導に当たる監督やコーチは、アスリハのなかでは復帰のための最終仕上げの役割を担います。

再発やほかのケガを防ぐためにも、アスリートの状態やリスクを理解し、練習参加の頻度や内容を決定していきます。

ただし、ケガを恐れすぎてもパフォーマンスを発揮できないので、医療スタッフとの連携や情報を正しく理解して指導することが重要です。

まとめ

腰を大切にする際、睡眠中のケアも意識することをおすすめします。睡眠時の質が高ければ体力の回復も早く、また、就寝時の体勢によっては腰や肩に大きな負担をかけることに。

実際、マットレスに気を配っているアスリートは多く、スポーツ工学理論を取り入れたマットレスなどが開発されています。

就寝中や寝起きの腰に違和感を感じたら、チェックしてみましょう。

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