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腰痛といっても、実は2つに分かれることはご存知でしょうか。どちらにあたるかで、対処法は違うのです。

また、腹筋が弱いから腰痛になると思っていませんか。

そこで今回は、腰痛に関する誤解を解消し、適切な対処法や予防法をご紹介します。

「急性期」と「慢性期」どちらにあたるかで、腰痛の対処法は異なる

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腰痛は、突然の痛みが出る「急性期」と、同じくらいの痛みが長期間続く「慢性期」の2つに分かれます。

どちらの腰痛なのかによって、適した処置が異なります。

腰痛は冷やしたほうがいい?温めたほうがいい?

身体に痛みが出るというのは、ほとんどの場合、その部位で炎症が起きているということです。

炎症は、大抵冷やすことで痛みを抑えられます。その理屈でいうと腰痛も冷やしたほうがいいということになるものの、実は対処が2通りに分かれます。

冷やしたほうがいい腰痛
上述のとおり、患部で炎症が起きているときには、冷やしたほうが効果的です。腰の痛みが炎症かどうか判断するには、時間と痛みの激しさがポイントになります。

急に激しい痛みが起きたときには、腰の周囲で炎症が起きている可能性が高いので、濡れタオルや保冷剤などで冷やしましょう。

温めたほうがいい腰痛
温めたほうがいい腰痛は、発生してから時間が経過しても、同じ程度で続く慢性的な痛みになった場合です。

慢性的な痛みは、血行不良により筋肉が収縮して疲労物質が溜まっているためと考えられます。温めることで、筋肉をほぐし疲労物質が排出されるのです。

自己診断が不安なら、医師の診察を
痛みが出てすぐなら冷やしたほうがよく、時間が立って慢性的な痛みに変化したら温めたほうがよいものの、2~3日で切り替わる場合もあれば、1週間以上や2週間くらい時間がかかることもあり、医師によっても判断が分かれるところです。

間違った方法をとるとかえって悪化させてしまう恐れがあるので、自己診断が難しい場合は、医師の指示を仰いでください。

温めるべき腰痛の改善に効果的な入浴方法

長期間痛みが取れないときにおすすめなのが、ゆっくりと入浴することです。お風呂に入って身体が温まると血行が促進され、蓄積された疲労物質の排出へとつながります。

また、硬くなった筋肉をほぐす効果もあり、入浴は腰痛をとるのにとてもおすすめの方法です。

ただし、腰痛に熱いお風呂は禁物です。熱い感じを脳が受け取ると交感神経が活発化し、興奮状態となって痛みを引き起こす要因となるのです。

腰痛を和らげるためには、38~40度程度のぬるま湯に入るようにしましょう。

入浴中のストレッチで身体をほぐそう

入浴しながら湯船でストレッチすると、より身体をほぐすのに効果的です。腰痛に効く正しいストレッチの方法をご紹介します。

  1. 10分ほどお湯に浸かって、体を十分に温める
  2. 両手を同一方向のバスタブの縁に置き、ゆっくりと腰をひねる
  3. 反対方向の縁を両手で持って、ゆっくりと腰の向きを変える

寝るときは、腰に負担をかけない姿勢を心がけよう

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腰がとても痛いときや突然の痛みが起きたときの過ごし方は、ゆっくりと身体を休めるのが一番です。

ただし、眠り方によってはかえって腰に負担をかけてしまうこともあります。ここでは、寝るときに腰に負担をかけない姿勢を紹介するので、腰痛を悪化させないよう気を付けましょう。

腰によい寝方

仰向けに寝て膝を少し立てるのが、腰によい姿勢です。タオルやクッションなどを膝の下部にあてると、より楽に正しい姿勢を保てます。

また、痛みで背筋が伸びないときには、横向きに寝て布団や枕を脚に挟むのもよいです。

腰にNGな寝方

逆に、身体に負担となって腰痛を悪化させる姿勢は、うつ伏せ寝です。

身体が下向きで、頭を横向きにして寝るという寝方は、腰だけでなく、首や背骨全体にもかなり負担が大きいです。

正しい体勢で眠るために

胸の下にテニスボールを入れて寝ると、無意識にうつ伏せになろうとしてもボールが邪魔でできず、自然と仰向けになれます。

また、ゴロゴロと寝返りをたくさん打ってしまうのは、マットレスの寝心地が悪いのかも。

正しい姿勢で寝たのに、起きたときに腰が痛くなっていたら、寝具の買い替えも検討してみましょう。

【関連記事はこちら】
腰痛対策には寝る姿勢が重要

トレーニングでは腹筋よりも、インナーユニットを鍛えよう

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腰痛の予防のためには、軽いトレーニングをするのも効果的です。

「普段、運動をよくしているから大丈夫」と自負している人でも、腰椎を支えるインナーユニットはあまり鍛えられていないこともあります。

身体の奥の筋肉を意識して、トレーニングをしてみましょう。インナーユニットを鍛えると、肥満対策にもなりますよ。

「腹筋を鍛えれば腰痛は防げる」は間違い?

腰痛の原因として、よく腹筋が弱いことが挙げられます。

しかし、一般的な腹筋運動で鍛えられる腹直筋は腹筋の上部、腰椎から少し遠い部分にあり、実はあまり腰痛とは関係がありません。

腰痛予防のために鍛えるべき筋肉は、腹直筋よりももっと奥のほうにあるインナーユニットです。

腰椎を支える3つのインナーユニット

では、どの筋肉を鍛えればいいのかというと、腹直筋の奥の筋肉である「腹横筋」「多裂筋」「骨盤底筋群」の3つのインナーユニットです。

インナーユニットを鍛えるトレーニングのコツは、腰を無理に動かさないこと。腰を使いすぎると、かえって身体を痛めてしまいます。腰を動かすのではなく、身体の奥にあるインナーユニットを意識してトレーニングを行いましょう。

腹横筋を鍛える呼吸法
うつぶせに寝たまま、「スーッ」とゆっくり吸い込んでいきます。このときお腹は膨らますのではなく、縮ませながら床から離して、段々と持ち上げるようにしてください。

吸いきったらゆっくりと息を吐いて、お腹も元に戻します。これを3~5回繰り返しましょう。

デッドバグ
デッドバグは仰向けで床に寝て、手を上のほうに上げ、膝を曲げて足も上げます。次に、左手を腰のほうへ、右手は頭のほうへ下ろしていきます。

腰が動かないように息をたくさん吸って、お腹を引き締めてください。左右交互に5回ずつ繰り返します。

慣れてきたら、同様に左右の足も交互に上げ下ろしすると、さらにトレーニングになります。

ツリー
イスに浅く座り、両手を胸の前で合わせます。骨盤がまっすぐに立っているのを意識して、息を吸いながら手をまっすぐ上に伸ばします。

骨盤がゆがんでいると、まっすぐ伸ばすことができません。身体の中心にある軸を真上から引っ張るような感じで、まっすぐを意識して行ってください。

まとめ

腰痛になったときは、「急性期」と「慢性期」どちらにあたるかを見極めたうえで、適した対処をすることが必要。

本記事を参考に腰に負担をかけない姿勢を心がける、インナーユニットを鍛えるなど、普段から腰痛を悪化させない、予防する対策を意識して取り入れるようにしましょう。

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