アスレティックトレーナー・新井康希先生

体の硬さが原因で、日常的に腰に負担がかかってしまっている人は、その硬さをほぐしてあげれば自然と腰痛が緩和される可能性があります。

ここでは『あなたの腰痛が治らないのは治し方を間違えているから』(アスコム)の中で紹介した3つのストレッチのやり方を、動画付きでさらに詳しく解説します。

どれも自宅ですぐに実践できるので、今日からトライしてみてください。

もも裏のストレッチ

腰を曲げたときに痛みが出る人の場合は、もも裏の筋肉(ハムストリングス)を伸ばすことで腰痛を解消できる可能性があります。

もも裏の筋肉が硬い(伸びない)と、骨盤が引っ張られて後ろに倒れてしまい、姿勢が崩れて猫背になりがちです。
ですから、猫背の人はもも裏の筋肉が硬い、ともいえるわけで、何れにしても腰を痛めやすくなってしまいます。

ストレッチは簡単です。
バスタオルなどを用意して、仰向けに寝てください。
そして片方の足の裏にバスタオルを引っ掛けて、膝を曲げないようにして足を上げます。
太ももの裏が痛くなる手前、筋肉が伸びている刺激を感じるあたりで止めて、15〜20秒間キープするだけです。

これを左右の両足で行います。

腸腰筋のストレッチ

体を後ろに反らせたときに腰に痛みを感じる場合は、腸腰筋が硬くなっていることが原因の可能性があります。

腸腰筋は腰元にあり、体幹を安定させる役割があります。
正しい姿勢を保持するためにも、とても大切な筋肉です。

腸腰筋に柔軟性がないと、骨盤が前に倒れて、腰が反った姿勢になってしまいます。これは腰にもよくありません。

腸腰筋を伸ばすストレッチは、2段階あります。
まずは軽く伸ばす方法です。

体の右側の腸腰筋を伸ばす場合、右足の膝をついて、左足の膝を立たせて前に出します。
このとき、体をまっすぐに立たせないといけないので、少しお腹に力を入れて姿勢をキープしてください。

その状態のまま、右腕をまっすぐ伸ばして上に上げます。
このときお尻にグッと力を入れて引き締めるようにすると、腸腰筋が伸ばされます。

次に、もう少し強く伸ばしたい場合です。

先ほどの腕を上げたそうすることで、体の右側面の筋肉から腸腰筋にかけて、しっかりと伸ばすことができます。

最初のうちは軽く伸ばす方法で十分なので、左右両方で行ってください。

股関節のストレッチ

上半身を左右にひねったときに腰が痛む場合は、股関節がうまく可動していないことが原因になっている可能性があります。

本の中でも「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」を紹介したとおり、よく動くべき部分である股関節が動かないため、安定しているべき腰に余計な負担が生じているのです。

股関節のストレッチは、内旋(内側にひねる動き)と、外旋(外側にひねる動き)の2種類があります。

まず、十分に両足を開いて床に座ってください。
両足は膝を90度くらいに曲げて、かかとをつけてつま先を上げた状態にします。

この状態から、両足を同時に右に倒していきます。
このとき、右の股関節は外旋の動き、左の股関節は内旋の動きをしています。

そして返す動きで、今度は左へ倒します。
そうすると左の股関節が外旋の動き、右の股関節が内旋の動きになります。

この動きを交互に繰り返してください。

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